「日焼け止め、ちゃんと塗ってます」
そう言う方に施術の現場でよく出会います。でも少し詳しく聞いてみると、朝1回だけ塗っている、薄く伸ばしている、室内にいるから塗らない日もある。そういった方がほとんどです。
日焼け止めを「塗っている」と「効果が出ている」は、全く別の話です。今日はその差を作っている原因を、具体的にお伝えします。
SPFとPA、本当の意味を知っていますか?
日焼け止めのパッケージに必ず書いてあるSPFとPA。なんとなく数値が高いほど良いと思っている方が多いですが、まずそれぞれの意味を正しく理解することが大切です。
UVB防御
(赤くなる日焼け)
海や山など屋外での強い日差しによるサンバーンを防ぐ指標です。
UVA防御
(老化・たるみ・シワ)
肌の深部まで届いてシワ・たるみ・シミを引き起こす紫外線を防ぐ指標です。
UVAは一年中、曇りの日も、室内にいても届きます。窓ガラスを透過するため、デスクワーク中でも窓際では影響を受けます。老化の原因の約8割は光老化と言われていますが、その主犯はUVAです。
SPFの数値だけを見て安心している方は、UVAへの対策が不十分になっている可能性があります。数値が高ければいい、ではなくPAの表示もしっかり確認することが重要です。
塗る量が9割
日焼け止めの効果を決める最大の要因は、数値よりも塗る量です。SPF・PAという数値は、規定の量を正しく塗った場合に発揮される数値です。
POINT
顔への推奨量は約0.8g、500円玉大が目安です。でも実際にはその3分の1から5分の1程度しか塗れていない方がほとんどです。
つまりSPF50の日焼け止めを薄く塗っても、実質SPF10以下になっている可能性があります。さらに塗り方にも注意が必要です。
日焼け止めだけでは防げない
正しく塗ることが大前提ですが、日焼け止めだけで紫外線を完全に防ぐことはできません。紫外線対策は3つの層で考えることが重要です。
塗る(外防御)
日焼け止めによる防御です。正しい量を塗って、こまめに塗り直すことが基本です。
避ける(物理防御)
帽子、日傘、サングラス、UVカットの衣類。UVAは窓を透過するため、室内でも窓際では日傘が有効です。
回復させる(内側ケア)
受けてしまったダメージを最小化すること。バリア機能を整えるスキンケアと抗酸化成分の摂取が重要です。
スキンケアが雑だと日焼け止めの効果も落ちます。洗顔やクレンジングの摩擦でバリア機能が壊れていると、紫外線ダメージが増幅されます。第5回でお伝えしたバリア機能の話は、紫外線対策とも直結しています。
紫外線が肌の中でやっていること
「日焼け=黒くなる」というイメージを持っている方が多いですが、紫外線が肌に与えるダメージはそれだけではありません。
POINT
老化の約8割は光老化と言われています。紫外線対策は美白だけでなく、エイジングケア全体の土台です。
よくある間違いと現実的な対策
やりがちな間違い
NG
朝だけ塗って安心している → 午後には汗や皮脂で落ちています
NG
室内だから塗らない → UVAは窓を透過します
NG
曇りの日は塗らない → 曇りでも紫外線の約80%は届きます
NG
皮脂が多いから塗らない → 皮脂が多い肌ほどバリアが不安定で紫外線ダメージを受けやすい状態です
塗り直しが難しい場合の代替案
塗り直しが理想ですが、メイクをしているとなかなか難しいのが現実です。そういう場合はこういう方法が現実的です。
UVカットスプレーを使う
メイクの上からでも使えるスプレータイプの日焼け止めがあります。完璧ではありませんが、塗り直しゼロよりははるかに効果的です。
UVカットパウダーを重ねる
フェイスパウダータイプのUVカット製品をメイクの上から重ねる方法です。崩れも防げて一石二鳥です。
物理防御を強化する
塗り直しができない時間帯は帽子や日傘で補います。塗ることだけに頼らない発想が大切です。
朝の1回塗りをしっかりやる
室内にいる日は朝の1回塗りをしっかりすることに集中する。完璧を目指しすぎて何もしなくなるより、できることを確実にやる方が重要です。
紫外線対策の効果を決めるのは日焼け止めの数値ではなく、塗る量と塗り方です。UVAは一年中室内でも届く老化の主犯で、PAの対策が特に重要です。
日焼け止めだけでなく物理防御と内側ケアを組み合わせた3層の対策が本当の紫外線ケアです。正しく続けることで、老化のスピードは確実に変わります。