「丁寧にスキンケアしているのに、乾燥が改善しない。」
そんな悩みをお持ちの方がとても多いです。原因のひとつとして多いのが、保湿の仕組みを誤解していることです。「保湿=水分を与えること」だけでは、実は不十分なんです。
化粧水をたっぷりつけているのに、なぜ乾燥するのか
水分を与えても、それを肌に留めておく仕組みが整っていなければ、すぐに蒸発してしまいます。
本当の保湿とは、水分を「補う」だけでなく、水分を「留めておく」仕組みを整えることとセットで成り立っています。
肌のうるおいを保つ3つの仕組み
肌のうるおいは、3つの要素が組み合わさって初めて保たれます。
NMF(天然保湿因子)
水分を抱え込む成分
肌の角質層の中に存在する、水分を引きつける成分の総称です。アミノ酸や乳酸などが含まれています。スポンジのように水分を抱え込んで、肌の内側に潤いを保持する役割を担っています。
加齢やオーバーケアによってNMFは減少します。NMFが少ない状態では、いくら水分を補っても肌の中に留まりにくくなります。
セラミド
水分が逃げないようにする構造
角質層の細胞と細胞の間を埋めている脂質成分です。細胞同士をしっかりつなぎ合わせて、水分が外に逃げないようにする構造を作っています。
第5回でお伝えしたバリア機能の中心を担っているのがこのセラミドです。セラミドが不足すると、NMFが水分を抱え込んでいても隙間から蒸発してしまいます。
皮脂・油分
蒸発を防ぐフタ
皮脂や化粧品の油分は、肌の表面を覆って水分の蒸発を防ぐフタの役割をします。
乳液やクリームが必要な理由はここにあります。どんなに水分を補って構造を整えても、最後にフタをしなければ水分は逃げていきます。
化粧水をたっぷりつければいいという誤解
化粧水の役割は水分を補うことです。NMFを補うこと、セラミドでバリアを整えること、油分でフタをすること——これらは化粧水だけではできません。
Point
化粧水をシートマスクでたっぷり浸透させても、その後のケアが不十分では意味が半減します。
保湿は水分を与えるだけでなく、水分を留めておく仕組みを整えることがセットで必要です。
正しい保湿の設計
化粧水で水分を補う
セラミド・保湿成分で水分を抱え込む構造を整える
乳液・クリームの油分でフタをする
この順番と組み合わせが揃って初めて、本当の意味での保湿ができます。どれかひとつが欠けても、保湿の効果は半減します。
肌質別の保湿の方法
肌質によって、3つのバランスの調整が必要になります。
乾燥肌の場合
水分、セラミド、油分の3つ全てが不足しがちです。化粧水でしっかり水分を補い、セラミドで構造を整えて、クリームで油分をしっかり補う。3つ全てをバランスよく使うことが基本です。
脂性肌の場合
皮脂が多いからといって保湿が不要なわけではありません。油分は控えめにしながら、水分とセラミドはしっかり補います。油分を完全にカットすると、皮脂が過剰分泌されてさらに脂性になることがあります。脂性肌こそ、バランスのとれた保湿が重要です。
保湿は水分を与えるだけでは完結しません。水分を抱え込むNMF・水分を留めるセラミド・蒸発を防ぐ油分の3つが揃って初めて本当の保湿になります。
化粧水をたっぷりつけることより、この3つのバランスを意識することが乾燥改善への近道です。