→ 無料版第14回の続きです

無料版では洗いすぎの問題と正しい洗い方の基本をお伝えしました。有料版ではさらに踏み込んで、クレンジングの成分系統による選び方、洗顔料の成分の見方、美容鍼と洗顔の関係、バリアが壊れた肌の立て直し手順をお伝えします。

クレンジングの成分による選び方

クレンジングオイルの主成分は大きく3つの系統に分かれます。テクスチャー(オイル・バーム・ミルク等)より、この成分系統で選ぶ方が肌への影響をより正確に判断できます。

① 炭化水素油系 ミネラルオイルを主成分にしたクレンジングオイルのみ

最強パワーで全部落とします。濃いフルメイクや崩れにくい日焼け止めをしっかり落としたいときに向いています。ただし界面活性剤の配合量が多く、肌への負担は3系統の中で一番強い。バリアが低下しているときに使うと一気に悪化するリスクがあります。

こんなときに

濃いメイクをした日限定で使う。肌荒れ中・敏感なとき・バリアが低下しているときは使わない。

② エステル系 成分名が「○○酸〜ル」という名前のもの

洗浄力は中くらい。普通のメイクや日焼け止めなら十分落とせます。のびが良くさっぱりした使用感のものが多く、市販のクレンジングに広く使われている系統です。浸透性が高い成分が多いため、肌によっては刺激になることもあります。特にミリスチン酸イソプロピルはニキビの原因になりやすいと言われているため確認が必要です。

こんなときに

普通のメイクをしている日の基本クレンジングとして。汚れが普通の日はこれで十分です。

③ 油脂系 植物由来の「油脂」を主成分にしたクレンジングオイル

3系統の中で一番肌に優しい。洗浄力はやや弱めですが、皮脂と成分が近いため肌なじみが良く、長めにクルクルなじませても荒れにくいのが特徴です。じっくりなじませることで角栓にも強いという面もあります。肌への負担が少ないので、敏感肌や肌荒れ中でも安心して使えます。

こんなときに

敏感肌・肌荒れ気味のとき・毛穴詰まりが気になるとき。肌の元気がないときはまずこれを選んでください。

POINT — 使い分けの基準

「落とす汚れの量」と「今の肌の元気さ」の2つで判断します。

敏感肌・肌荒れ気味・バリアが低下しているとき → ③油脂系
毛穴詰まりが気になるとき → ③油脂系(長めになじませる)
普通のメイクの日 → ②エステル系
濃いメイクの日のみ → ①炭化水素油系

この使い分けができていないと、肌トラブルが起きやすくなります。

洗顔料の成分の見方

洗顔料の洗浄力と刺激性は、配合されている界面活性剤の種類でほぼ決まります。成分表示を見るときの基本知識をお伝えします。

HIGH CLEANSING — 注意が必要

洗浄力が強い・刺激になりやすい成分

ラウリル硫酸Na(SLS)

洗浄力が非常に強く、皮脂を取りすぎてバリアを壊しやすい。敏感肌・乾燥肌には避けたい成分です。

ラウレス硫酸Na(SLES)

SLSよりやや刺激が低いですが同様に洗浄力が高い。市販の洗顔料に多く使われています。

これらが成分表示の上位に来ている洗顔料は、洗浄力が強い傾向にあります。バリアが低下しているときは避けてください。

LOW CLEANSING — 低刺激タイプ

肌に優しい・低刺激な成分

ラウロイルグルタミン酸Na

アミノ酸系の界面活性剤。肌への刺激が少なく洗い上がりがしっとり。敏感肌・乾燥肌に向いています。

コカミドプロピルベタイン

両性界面活性剤で刺激が少ない。泡立ちが良く低刺激洗顔料に多く使われています。

デシルグルコシド

植物由来の非イオン界面活性剤。非常に低刺激でベビー用洗顔にも使われるほど穏やかです。

アミノ酸系・植物由来系の界面活性剤が上位に来ているものは低刺激の傾向にあります。バリアが低下しているときはこちらを選んでください。

美容鍼と洗顔の関係

施術前後の洗顔は、美容鍼の効果を左右します。知っておくと施術効果を最大化できます。

施術前

メイクは落としてから来院

施術前はメイクを落とした状態で来院していただくのが理想です。メイクが残っていると施術後に毛穴から成分が入り込むリスクがあります。来院前に低刺激のクレンジングで優しく落とすだけで十分です。ゴシゴシ洗う必要はありません。

低刺激クレンジングで優しくオフ

ぬるま湯で流すだけでもOK

洗浄力の強いもので念入りに洗わない

スクラブやピーリングは施術前日から避ける

施術当日

施術後は洗顔しない

施術直後は鍼を刺した部分が微細に開いている状態です。施術当日の夜は洗顔を控えるか、ぬるま湯だけにしてください。洗顔料を使うと刺激になる可能性があります。汚れが気になる場合は翌朝に低刺激洗顔料で洗う形で問題ありません。

当日夜はぬるま湯のみ

翌朝に低刺激洗顔料で洗う

当日夜に洗顔料を使わない

施術後すぐにメイクしない

施術翌日以降

通常のルーティンに戻す

翌日からは通常の洗顔に戻して問題ありません。ただし施術後2〜3日は血流が上がって肌が反応しやすい状態が続きます。この期間は洗浄力の強いものや摩擦を避けて、低刺激を心がけてください。施術効果を最大に引き出すために、洗い方もケアのうちです。

バリアが壊れた肌の立て直し手順

洗いすぎでバリアが壊れてしまった場合、回復には正しい順番があります。焦って攻め成分を使うと逆効果になるため、段階を踏んで進めてください。

1
STEP 1 — 1〜3日

まず全ての刺激をゼロにする

荒れている状態では何を使っても刺激になります。まず全ての攻め成分・刺激になりうるものをやめてください。

洗顔はぬるま湯のみ(または低刺激洗顔料1回)

クレンジングはミルクかクリームに変更

ビタミンC・レチノール・ピーリングは全て休止

2
STEP 2 — 3〜7日

セラミドだけで保湿する

バリアを回復させるにはセラミドが最も効果的です。この段階ではセラミド中心の保湿だけに絞ってください。あれこれ重ねる必要はありません。

低刺激化粧水→セラミド美容液→軽めのクリーム

新しいものを試さない

ヒリつき・赤みが続く場合はCICA成分を加える

3
STEP 3 — 1〜2週間

肌の反応を確認しながら安定させる

ヒリつきや赤みが落ち着いてきたら、同じケアを続けて安定させます。良くなってきたからといってすぐに攻め成分を戻さないことが重要です。もう少し待つことがバリア回復の本質です。

朝洗顔をぬるま湯のみに変えてみる

日焼け止めは低刺激タイプに切り替える

変化があれば記録しておく

4
STEP 4 — 2週間以降

ゆっくり元のケアに戻す

肌が安定してきたら、攻め成分を1つずつ慎重に戻していきます。1週間に1つのペースで戻して、肌の反応を確認しながら進めてください。全部一度に戻すと何が原因かわからなくなります。

最初にナイアシンアミドなど低刺激の攻め成分から

レチノールは最後に、週1回から再スタート

荒れが再発したらすぐSTEP1に戻る

落とし方を制する人が、肌を制する

Tomita's View

施術をしていて感じるのは、スキンケアにこだわっている方ほど洗い方が雑なケースがあるということです。高い美容液を使いながら、熱いお湯でゴシゴシ洗っている。これでは積み上げたものを毎日壊していることになります。

落とし方はスキンケアの土台です。クレンジングと洗顔を正しく選んで、優しく洗う。それだけで肌の状態が大きく変わることを、現場で何度も見てきました。

まとめ

クレンジングは今の肌状態に合わせた種類を選び、洗浄力は強ければいいわけではありません。成分表示の界面活性剤の種類で洗浄力と刺激性を判断してください。美容鍼の施術当日はぬるま湯のみにして効果を最大化する。バリアが壊れたときは焦らず4ステップで段階的に回復させる。落とし方を制する人が、肌を制します。

T

富田 瞬太

リケア鍼灸整骨院 / 美容鍼・スキンケア

美容鍼とスキンケアの両面から、肌の根本改善をサポートしています。「なぜ効くのか」を理解することで、自分でケアを選べる肌を目指します。