→ 無料版第5回の続きです
無料版では、敏感肌のほとんどがバリア機能の低下によって作られるものだとお伝えしました。有料版ではさらに踏み込んで、バリア機能を具体的にどう回復させるかをお伝えします。
バリア低下の正体を知る
まずバリア低下が起きているとき、肌の中で何が起きているかを理解することが先決です。
バリアが低下している状態とは、角質の脂質——特にセラミドが減っている状態です。同時に水分保持力が落ちて、微細な炎症が慢性的に続いています。肌が常にくすぶっている状態です。
だからやることはシンプルで、この3つだけです。
入れすぎない
触りすぎない
揺らさない
この3つを守りながら、最小限の成分で回復させていきます。
回復に使う成分 最小構成
バリア回復期に使う成分は絞ることが大原則です。
セラミド
バリア機能の主成分。低下したセラミドを直接補うことで、角質の脂質バランスを整える。
ベースとして必ず使うグリセリン
水分を引き寄せて保持する。低コストで刺激が少なく、回復期の肌に最適な保湿剤。
ベースとして必ず使う低刺激の保湿剤(ワセリンなど)
水分の蒸発を防ぐ蓋の役割。成分がシンプルで添加物が少ないものを選ぶ。
ベースとして必ず使う低濃度ナイアシンアミド(2〜4%程度)
回復が確認できてから加える成分。いきなり高濃度から始めず、反応を見ながら調整する。
必要であれば加えるそれ以外のものは、回復が確認できるまで使いません。
回復の順番と週ごとのステップ
まず洗顔を見直します。洗いすぎていないか、刺激の強い洗顔料を使っていないかを確認して、低刺激なものに切り替えます。
保湿はセラミドとグリセリンに固定して、この期間は製品を変えません。新しいものを試すこと自体がバリアを破壊する最大の要因です。
赤みや反応に「波」があるかどうかを観察します。良い日と悪い日の差が縮まってきたら、回復が始まっているサインです。
この時期もまだ何も足しません。ただ観察して、保湿を続けます。
赤みの波が落ち着いてきたら、ようやく軽い機能性成分の導入を検討できます。
ただしここで焦りは禁物です。「落ち着いた」と「回復した」は違います。
回復の定義
「落ち着いた」は回復ではない。「揺れなくなる」が回復。
赤みが出なくなった、ヒリつかなくなった——それは回復の途中です。本当の回復は、多少の刺激があっても肌が過剰に反応しなくなった状態です。
回復の期間は軽度であれば2週間、慢性的な炎症が続いていた場合は4〜8週間かかることもあります。焦って攻めのケアに戻すと、また振り出しに戻ります。
回復期にやってはいけないこと
レチノールの再開を焦る
ピーリングの併用
シートマスクの多用
新製品のテスト——何が原因で悪化したかもわからなくなります
敏感肌タイプ別の対処法
敏感肌は一括りにしてはいけません。タイプによってやるべきことが全く違います。
赤み型(血管反応型)
REDNESS TYPE
こんな特徴のとき
夜になると赤くなる、温度差で悪化する、少しの刺激でも反応する。
現場で多い原因
攻めすぎのスキンケア。効果の強い成分を重ねすぎて、血管が過敏に反応するようになっています。
対処法
刺激ゼロの設計に切り替えて、保湿を固定します。摩擦を徹底的に避けることも重要です。タオルで拭く、コットンで拭き取るといった行為も摩擦になります。このタイプはここで攻めると長期化します。
乾燥型(角質崩壊型)
DRY TYPE
こんな特徴のとき
粉吹き肌、白ニキビが出やすい、皮脂が少ない。
現場あるある
「ニキビが出たからさっぱりケアにした」という方がとても多いです。乾燥型の白ニキビにさっぱりケアは逆効果で、さらに乾燥が進んで悪化します。
対処法
保湿量を増やして、洗顔回数を減らします。セラミドを中心としたケアに切り替えます。このタイプは他の敏感肌タイプと違い、引き算より足し算(保湿)が必要なケースです。
ニキビ型(炎症循環型)
ACNE TYPE
こんな特徴のとき
フェイスラインにニキビが出やすい、生理前に悪化する、触るクセがある。
現場感
ピーリング依存になっている方が多いです。角質を削ることで一時的にすっきりするため繰り返し使うようになりますが、バリア機能をさらに壊す悪循環に入っています。
対処法
まず炎症を鎮静させることが先決です。皮脂を取りすぎないケアに切り替えて、攻めのケアは第3回有料版でお伝えした生理周期に合わせて管理します。常に角質を削り続けることが最もやってはいけないことです。
敏感肌への本当の向き合い方
3つのタイプに共通して感じることがあります。
敏感肌は肌が弱いのではありません。刺激に対して過活動になっている状態です。
だからやることは肌を強くすることではなく、まず落ち着かせることです。過活動になっている肌に強くなれと刺激を与え続けても、悪化するだけです。
落ち着いた肌に、少しずつ必要なケアを重ねていく。その順番を守ることで、敏感肌は必ず改善していきます。
バリア回復期にやることは入れすぎない・触りすぎない・揺らさないの3つです。最小限の成分で固定して、揺れなくなるまで待つことが回復への最短ルートです。
敏感肌はタイプによって対処法が全く違います。共通しているのは、強くするより落ち着かせることが先だということです。